ピークカットとは?
ピークシフトとの違いやメリット、導入方法を解説

燃料の調達コストが高騰しており、電気料金の値上げが続いています。
一般的に電気料金が高くなりがちな冬や夏には、電気料金の値上げに向けた対策が求められるでしょう。
そこで、家庭やオフィス、特に電力使用量の多い企業では、より一層の省エネ・節電が欠かせません。
そのため今回は、電気料金の削減手段として高い効果が期待できるピークカットやピークシフトについてお伝えします。
ピークカットとは?
ピークカットは、一日のなかで最も電力使用量の多い時間帯に使用する電力を減らして電力需要の平準化を促し、
電気料金の削減を目指す取り組みです。
ピークシフトとの違い
ピークカットに近い言葉として混同しがちなのがピークシフトです。
ピークカット同様、電気需要を平準化して電気料金の削減に効果を発揮する取り組みですが、方法が異なります。
ピークシフトとは、一般的に電力使用量の少ない夜間や深夜などの時間帯の電力を使用することで、一日全体の電力使用量を平準化させる
方法です。例えば、夜間に電力を蓄電池にためておき、電力使用量の多い昼間にその電力を使用することで、
電気の使用量を均一にしていくなどの手段があります。
ピークカットやピークシフトで得られるメリット
前述のとおり、ピークカットやピークシフトに取り組むことで電気料金削減が見込めます。それだけでなく、CO2排出削減にもつながります。
それぞれ見ていきましょう。
電気料金の削減が実現する
一般的に業務用電気の電気料金は、基本料金に電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えたものになります。
ピークカットやピークシフトは、実際の使用電力量に応じて算出される電力量料金はもちろん、毎月固定の基本料金の低減にも
効果を発揮します。
基本料金は、「基本料金単価」×「契約電力」×「力率割引・割増」で算出しますが、
このなかの契約電力は、最大デマンド(過去1年間で最も電気を使用した30分間の使用量)により決まります。
つまり、過去12カ月で1日でも大量に電力を消費してしまえば、ほかでどれだけ節電しても契約電力は大きくなってしまいます。
契約電力の違いで、どのくらい電気料金に差が出るものなのでしょうか?
例えば、基本料金単価を1,800円とした場合、契約電力が400kWであれば基本料金は72万円。これを350kWに下げられれば、
基本料金は63万円となり、1カ月で9万円、年間で108万円もの低減効果が生まれます(※カ率割引・割増は考慮していません)。
電気料金の算出方法は、「業務用エアコンの電気代は高い!効果的な節約方法とは」も参考になりますので、ぜひご覧ください。
CO2排出削減につながる
ピークカットやピークシフトによる電力使用量の低減は、CO2排出削減にも高い効果を発揮します。
CO2など温室効果ガスの削減は世界的に求められる取り組みであり、日本政府も、2050年までにCO2など温室効果ガス排出量実質ゼロを
目指す、カーボンニュートラル宣言をしています。
世界や国の動きに合わせ地球環境の保全に貢献することは、企業の社会的責任でもあります。また、カーボンニュートラル実現に向けての
積極的な取り組みは、企業イメージの向上につながることも期待できます。
こちらもあわせてご覧ください。

業務用エアコンの電気代は高い!効果的な節約方法とは
ピークカットやピークシフトの導入方法
ピークカットやピークシフトを実際に進める際の主な導入方法を紹介します。
太陽光発電の利用
ピークカットの代表的な導入方法です。太陽光発電を利用すれば、そこから得た電気を昼間の時間帯に使用できるようになり、
ピークカットの実現につながります。また、太陽光発電を利用することで電気代の削減だけでなく、CO2も排出しないため、環境問題への
解決の手段の一つとして注目を集めています。
蓄電池の利用
電気料金が安くなる、もしくは電気使用量の少ない夜間や深夜に、蓄電池を利用して電気をためておき、電力使用量の多い昼間の時間帯に
ためた電力を使用すれば、ピークシフトの実現ができます。前述の太陽光発電との併用で、より一層の電気料金削減が期待できます。
デマンドコントロールシステムの利用
デマンドコントロールシステムとは、最大デマンドの発生を監視するシステムです。あらかじめ目標値を設定すれば、需要デマンドが
目標値を超えると予測される際にアラームや警報などで通知してくれるため、ピークカットの効果が期待できます。
節電効果のある施策の実施
節電効果の高い電気製品や設備を導入・整備するのも、ピークカットの実現につながります。
例えば照明を間引く、蛍光灯からLEDに変えるなどがあります。
空調機を遠隔監視し、省エネサポートするサービスとして、ダイキン工業では「EneFocus α」という省エネサポートサービスがございます。
ほかにも空調機器を定期的にメンテナンスすれば、常に安定した稼働が実現し、節電につながることが期待できます。
空調機器のメンテナンスについては、「エアコンの維持に欠かせないメンテナンスの重要性・メリットを解説」や
「知らないとまずい!業務用エアコンの法令点検の重要性」をご覧ください。
こちらもあわせてご覧ください。
ピークカット・ピークシフトに加え
既存電気機器のメンテナンスで電気料金を削減
今回紹介したピークカットやピークシフトは、電力量料金はもちろん、基本料金を決める契約電力の削減に高い効果が期待できます。
いずれも、電気料金削減の極めて有効な対策です。こういった対策に加え、電気料金削減の重要なポイントとなるのが、
既存電気機器のメンテナンスです。特に電力消費量の多い空調機器のメンテナンスの実施には、大きな効果が期待できるでしょう。
空調機器のメンテナンスにおすすめしたいのが、ダイキン工業のエアネットサービスシステム・アシスネットサービスです。
正しい空調機器のメンテナンスには専門的な知識が必要であり、お客様ご自身で行うには手間と時間がかかってしまうでしょう。
そこで、専門家に依頼することで効率よく、適切なメンテナンスを実現することができ、なおかつ、空いた時間をより生産性向上につながる
重要な業務に振り分けることが可能になります。
エアネットサービスシステムとは、空調機の運転状態を24時間365日遠隔監視し、有事の際の遠隔応急運転やメンテナンス、法定点検の対応など、
空調管理業務をトータルサポートするサービスです。
24時間365日監視するなかでエネルギー消費量のデータを取得・見える化するため、電力消費量の多い箇所や時間帯の特定ができ、
運用を最適化することができます。
また、消し忘れ防止や温度、デマンド値制限などの設定により、どの程度電気料金の削減につながっているのかシミュレーションができ、
取り組みへのモチベーション維持・向上にもつながります。
一方、アシスネットサービスはIoT端末を室外機に付けるだけで、フロン排出抑制法の対応を含む空調管理をサポートするサービスです。
節電対策にぜひ上記サービスをご検討ください。