エアコンの維持に欠かせないメンテナンスの重要性・メリットを解説
エアコンは従業員や顧客の健康を守り、業務に集中できる環境を整えるためにも、必要不可欠な電化製品のひとつといえます。しかし、それだけ重要な電化製品であるにも関わらず、特に不調はない、やり方がわからないなどの理由から十分にメンテナンスを行っていない管理者の方もいるのではないでしょうか。長期に渡り快適な空間をつくるには、定期的な点検や清掃、部品交換といったメンテナンスが欠かせません。そこで今回は、エアコンの維持に欠かせないメンテナンスの重要性や頻度、タイミングについてご紹介します。業務用エアコンを扱うビルのメンテナンス管理者の方は、ぜひ参考にしてください。
エアコンのメンテナンス頻度とタイミング
業務用エアコンのメンテナンス頻度は家庭用とは異なり、利用場所や利用頻度によっては、同じ業務用でもメンテナンスの頻度やタイミングは違ってきます。ここでは、業務用エアコンの一般的なメンテナンス頻度とタイミングについて解説します。
業務用エアコンに求められるメンテナンス頻度
一般的なオフィスであれば、2~3年に1回が目安です。しかし中華料理店や焼き肉店など油や煙が多い飲食店、喫煙ルーム、美容室やエステなど特に清潔感が求められる店舗、24時間営業の店舗などでは、1年に1回はメンテナンスが必要でしょう。また、工場や人の出入りが多いビルのエントランスなども、1年に1回程度はメンテナンスするのがおすすめです。ただし、第一種特定製品に該当する業務用エアコンの場合は、フロン排出抑制法によって、点検の頻度が定められています。そのため、点検については、それに従わなければなりません。点検義務についてはこの後ご紹介します。
エアコンのメンテナンスを行うタイミング
エアコンは、上述した以外にも次のような症状が見られた場合は、早急なメンテナンスが必要です。
- 異音・異臭がする場合
- 吹き出し口や送風ファンに黒ずみ、カビを見つけた場合
業務用エアコンに求められる点検義務とは?
ビルのメンテナンス管理者の方は、エアコン以外にもさまざまなビル設備のメンテナンス管理が求められます。そのため、問題なく動いているエアコンであれば、どうしてもメンテナンスが疎かになってしまいがちです。しかし、前述のとおり、フロン類を冷媒に使っている業務用エアコンについては、フロン排出抑制法によって定められた頻度での点検をしなければなりません。
フロン排出抑制法とは、フロンガスの管理に関する法律で、正式名称は「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」。その内容は、フロンガスの製造から使用、廃棄について適切な管理を求めるもので、機器の管理者に対し、機器の点検や漏えい時の報告、機器廃棄時のフロン類の適正な引き渡しなどに取り組むよう促すものです。フロン排出抑制法の対象となる機器は、冷媒としてフロン類が使用されている業務用エアコンや冷凍機器、冷蔵機器などのことで、第一種特定製品と呼ばれます。すべての第一種特定製品については3ヵ月に1回以上の頻度での簡易点検が義務付けられています。
また、第一種特定製品のうち圧縮機に用いられる電動機の定格出力が7.5kW 以上 50kW 未満の業務用エアコンの場合は3年に1回以上、50kW 以上のエアコンの場合は1年に1回以上の頻度での、有資格者による定期点検が義務付けられています。
フロン排出抑制法による点検義務について詳しくは、「知らないとまずい!業務用エアコンの法令点検の重要性」をご覧ください。
こちらもあわせてご覧ください。
知らないとまずい!業務用エアコンの法令点検の重要性
定期的なエアコンメンテナンスで得られるメリット
定期的にエアコンのメンテナンスを実施することで得られる主なメリットは次のとおりです。
ランニングコストの低減
エアコンのフィルターや内部に汚れや埃が溜まれば、十分な性能を発揮できなくなり、電気代高騰の原因になる場合があります。メンテナンスをしっかりと行えば、運転効率が改善し、過度なエネルギー消費を防ぐことができるでしょう。そのためランニングコストの低減が期待できます。
機器の長寿命化
定期的に点検を継続して行えば、偶発的な故障リスクを最小限に抑えられ、結果的に長期に渡り安定した稼働が期待できます。
快適性の維持
定期的なメンテナンスを怠ってしまうと、エアコン内部から異音や異臭が発生するリスクがあります。そうなると快適性が失われ、業務にも悪影響が生じてしまうでしょう。定期的なメンテナンスの実施でこれらのリスクを取り除けば、常に快適な環境を維持できます。
安全性の確保
適切なメンテナンスが行われずにエアコン内部にカビが発生すると、オフィス内にカビの胞子がまき散らされ、体への影響が気になります。定期的なメンテナンスを行えば、カビの発生を抑えられ、安全性の確保が期待できます。
エアコンメンテナンスのやり方
ここでは業務用エアコンでも、自分でできるような簡易なメンテナンス方法について解説します。メンテナンスは、点検と掃除の大きくふたつに分けられます。
業務用エアコンの点検方法
業務用エアコンを自分で点検する場合、目視による外観の点検が基本で、一般的に点検箇所は次の3箇所です。
1.室外機
室外機に油の滲みがないか、損傷や腐食している箇所がないかを確認します。また、エアコンを稼働させている際、異常な振動や運転音がしないかの確認も必要です。
2.室内機
室外機同様に異常振動や異常音がないか、また、気になるニオイはないかを確認します。
3.機器全体
エアコンをつけていても冷えない、もしくは暖まらない。電源を入れるとエラーが表示される、電源を入れても動かないなど、異常がないかを確認します。
なお、フロン排出抑制法では、管理者に対して3ヵ月に1回以上の上記のような簡易な点検を義務付けています。
エアコンの掃除方法
業務用エアコンの掃除は、基本的に業者に依頼しますが、フィルターや外装の簡単な清掃は自分で行うことができますので簡単にご紹介します。
エアコンの種類によって取り外し方が異なるため、説明書を確認しながら正しく取り外します。フィルターの汚れを掃除機で吸い取り、取り切れなかった汚れを水洗いします。汚れがひどい場合は、柔らかいブラシやスポンジ、少量の中性洗剤を溶かしたぬるま湯(50℃以下)を使ってもいいでしょう。しっかり水洗いした後は、陰干しで十分乾かしてフィルターを正しく取り付け、外装を水拭きします。
快適な空間づくりにはエアコンの定期的なメンテナンスが必須
快適な空間の実現に欠かせないエアコン。特にオフィスや飲食店、店舗などで利用している業務用エアコンが故障すれば、店舗集客やオフィスの業務効率に大きな影響が出てしまいます。そのため、定期的なメンテナンスを怠らず実施することが重要です。
しかし他の業務が忙しいなか、問題なく稼働しているエアコンのメンテナンスの優先度が低くなってしまうケースもあるかもしれません。
そこでおすすめなのが、ダイキンの「アシスネットサービス」。エアコンにIoT機器を取り付けるだけで、3ヵ月に1回の簡易点検サポート、異常お知らせメールの送信などにより、メンテナンスをバックアップします。また、3年もしくは1年ごとに有資格者のサービスエンジニアが訪問点検を実施するため、フロン排出抑制法で義務付けられている有資格者による定期点検にも対応できます。
また、突発的な空調機の故障を防ぎ、万が一の際も素早い対応が可能な「エアネットサービスシステム」もあります。