エアコンにおけるSDGsとは?
実現への取り組みを解説

この数年でSDGsという言葉を目にする機会が増えました。
環境問題解決に向けた世界的な目標で、その達成に向けて企業も積極的な取り組みが求められます。
しかし、SDGsについては漠然としたイメージを持っていても、実はしっかり理解していない、
具体的にどう取り組めばいいかわからないといった人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、SDGsの基礎知識と、身近なエアコンで企業が取り組めることについて解説します。
SDGsの基礎知識
SDGsを正しく理解するために、成り立ちや17の目標についてご紹介します。
MDGsとリオ+20が融合
SDGsは2015年、国連総会で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として採択され、日本においては、
2016年に「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」が設置されました。
2015年に突如提案されたわけではなく、2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言(MDGs)と、2012年6月にリオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)がもととなっています。
MDGsは極度の貧困と飢餓の撲滅や初等教育の完全普及をはじめとする、健康で安全な社会に関する8つのゴールが設定されており、リオ+20では持続可能な開発のための取り組みや貧困撲滅を目指すグリーン経済など、開発と環境に関する問題について会議が行われました。
この2つの取り組みを融合したのが、SDGsです。
SDGsが掲げる17の目標
持続可能な社会をゴールとするSDGsには、次の17の目標が定められています。
さらに上記17の目標について、それぞれ、細かなターゲットが合計169項目設けられています。
例えば、上図1の「貧困をなくそう」という目標には、下記の1-1や1-2など7つのターゲットが、2の「飢餓をゼロに」は、
下記の2-1、2-2など8つのターゲットが設定されています。
1-1
2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1-2
2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
2-1
2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱(ぜいじゃく)な立場にある人々が
一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
2-2
5歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、
2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
5つのPでイメージする
17の目標に169のターゲットという膨大な数に困惑しそうですが、
People、Prosperity、Planet、Peace、Partnershipの5つの「P」に整理することで、解決すべき課題をイメージしやすくなります。
People
(すべての人の人権が尊重される)…目標1から目標6
Prosperity
(すべての人が豊かで充実した生活を送れる)…目標7から目標11
Planet
(地球を守る消費と生産、天然資源の持続可能な管理、気候変動対応)…目標12から目標15
Peace
(暴力や恐怖のない平和で公正な社会)…目標16
Partnership
(すべての国と人が協力しあう)…目標17
SDGs実現のためにできること
SDGsの目標を実現するためには行動が必要です。
貧困撲滅や平和、環境など国家レベルでなければ取り組めない問題のように思えますが、そんなことはありません。
SDGsには多くの目標と具体的なターゲットが示されており、それぞれができる範囲で取り組むことが可能です。
企業が取り組みやすいSDGs
環境省が作成した「すべての企業が持続的に発展するために-持続可能な開発目標活用ガイド-」では、
例えば「地元雇用を推進する取り組みを行っている」「産学官等連携(市内企業・大学等と連携した製品開発や研究への支援)を行っている」など、SDGsの目標とさまざまな企業の既存の制度・枠組みをひもづけています。
上記ガイドのなかでも「空調」については触れられていますが、企業の規模や時期にかかわらず利用しているエアコンは、
企業が取り組みを始めやすいことのひとつではないでしょうか。
例えば空調の適温化やメンテナンス、省エネルギー効果が高い製品への交換、電気使用量を〇年比で○%削減するといったことは、
目標7の「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」に、製品の長寿命化を図ることは目標9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」に、
特定フロンの回収、適正処理や屋外に排出される熱を回収して利用できる全熱交換器の採用などは目標13の「気候変動に具体的な対策を」に
取り組んでいると言えます。
SDGsは、特別なプロジェクトの企画をしなくても取り組み可能です。空調設備のメンテナンスを適切に行い、省エネ効果を高めるとともに
長寿命化を図る、15年以上前の製品の補修、交換を行うといったことでも、「SDGsの複数の目標に向けて実行している」ことになります。
ダイキン工業が取り組むSDGs
グローバルな空調機メーカーであるダイキン工業でも、技術と実績を生かし、
「地球に対する価値創造」「都市に対する価値創造」「人に対する価値創造」の3分野で以下の8つの目標に向けて注力しています。
目標3:すべての人に健康と福祉を
工場などからの排気に含まれる有害化学物質をフィルターによって除去することで、大気汚染を軽減。
また、室内環境の改善によって、熱中症・感染症の予防を目指します。
目標7:エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
目標12:つくる責任、つかう責任
目標13:気候変動に具体的な対策を
インバーターエアコンや温暖化への影響が少ない冷媒、ヒートポンプ暖房・給湯、再生可能エネルギーの活用と普及を通じて、
温室効果ガス排出量の低減を目指します。
目標8:働きがいも経済成長も
高いスキルを持った人材の採用だけでなく育成、雇用の創出による地域経済発展に注力します。
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
目標11:住み続けられるまちづくりを
先進国と新興国において、それぞれのニーズに応じたエアコンを提供。
さらに、再生可能エネルギー利用などでエネルギー消費をゼロにするZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)や
街全体でエアコンを最適制御し、省エネルギーを促進するICT技術の活用に力を入れています。
目標11:住み続けられるまちづくりを
先進国と新興国において、それぞれのニーズに応じたエアコンを提供。
さらに、再生可能エネルギー利用などでエネルギー消費をゼロにするZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)や街全体でエアコンを
最適制御し、省エネルギーを促進するICT技術の活用に力を入れています。
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
大気汚染の軽減や温室効果ガス排出量の低減などの社会問題の対策と、各地域のニーズに合わせた新しい価値創出という
一見相反する上記の目標をかなえるべく、産官学の垣根を越えた研究、開発を積極的に行っています。
身近な社会貢献SDGsはエアコンから
SDGsは世界共通の目標であり、企業も社会を構成する一員として取り組むべき課題でもあります。
SDGsの掲げる17の目標は貧困や教育、環境問題など多岐にわたり、さまざまな対応が考えられます。
そのなかで企業が取り組みやすく、効果を感じやすいのがエアコンの見直しではないでしょうか。省エネ効果のある製品に買い替える、
設定温度を適温にする、適切なメンテナンスをするなど、比較的自社が着手しやすい取り組みを行うことで、SDGsへの貢献が可能です。
当社では独自技術を用いて、エアコンのメンテナンスをアシストするサービスをご用意しています。
無人対応を可能にし、異常があったときにメールでお知らせするサービスが月額600円の安さで受けられる「アシスネットサービス」や、
30年間積み重ねてきたIoT技術で、故障予知や遠隔点検、遠隔復旧などで空調管理をサポートする「エアネットサービスシステム」です。