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エアコンにおけるSDGsとは?実現への取り組みを解説
近年、SDGsやカーボンニュートラルの観点から、枯渇資源である石油や石炭、天然ガスなどのエネルギーから
植物由来によるエネルギーへの代替が進んでいます。
ただし、現時点ではまだまだ石油や天然ガスに頼らざるを得ない状況であることには違いありません。
そこで重要となるのは、既存エネルギーをいかに無駄なく有効に活用していくかです。
今回は、特にオフィスビルでの省エネについて、その概要や実施のメリット、具体的な対策と成功事例について
お伝えします。オフィスビルのメンテナンス管理者の方は、ぜひ参考にしてください。
なお、SDGsについて詳しくは、「エアコンにおけるSDGsとは?実現への取り組みを解説」をご覧ください。
エアコンにおけるSDGsとは?実現への取り組みを解説
省エネとは、省エネルギーの略で、エネルギーを効率的に活用することを指すものです。
省エネ対策に取り組む目的は大きく2つあります。1つは、枯渇資源の減少を少しでも抑え、安定した供給を確保すること。
そしてもう1つは、石油や石炭などを燃焼させる際に発生するCO2を削減し、地球温暖化を防止することです。限りある資源を有効活用し、
地球環境の保全を実現させることが、省エネの大きな目的と言えます。
オフィスビルにおける省エネとは、ビルの建物内でのエネルギー消費量を削減することを指します。
オフィスビルで省エネが求められる理由のひとつは、日本政府が掲げた温室効果ガス排出量の削減目標の実現のためです。
日本政府は2030年度において、2013年度時点での温室効果ガス排出量からの46%削減を目標としています。
この目標を実現させるには、2022年1月現在で全国に10,581棟(13,287万㎡)あるオフィスビルでの省エネ対策が欠かせません。
オフィスビルは多くの人が出入りし、24時間365日稼働することが一般的です。
そのため、オフィスビルが省エネを実施すれば、政府が掲げる目標の実現に貢献できる可能性も高まるとして、対策が求められています。
オフィスビルでの省エネ対策によって得られる主なメリットは、次のとおりです。
省エネを行うことで、ビル内のエネルギー消費量が減り、光熱費の削減が実現します。
光熱費削減につながる具体的な省エネ対策については、「電気代の負担増加から考える 節電・省エネ対策」をご覧ください。
例えば、ビル内の照明や空調をIoTで管理するようにすれば、人がいる場所、温度・湿度が高い場所に限定して照明や空調の適切な制御が
可能です。その結果、省エネと同時に快適な環境が実現し、生産性向上にもつながります。
オフィスビルで省エネ対策を実施することで、政府が推奨するZEB(Net Zero Energy Building:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化やCO2排出量の削減が実現し、不動産価値の向上が期待できます。
近年は環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を考慮して投資先を検討するESG投資が
注目されているので、オフィスビルのZEB化やCO2排出量の削減により投資を受けやすくなるのも大きなメリットです。
万が一、災害が起きてオフィスビルの照明や空調がストップしても、例えば省エネ対策としてZEB化が実現していれば、
太陽光発電や風力発電システムなど再生可能エネルギーによりエネルギーの自立が可能です。
その結果、災害が起きても迅速に業務再開が可能になり、事業継続性が向上します。
電気代の負担増加から考える 節電・省エネ対策
オフィスビルで省エネを実現させるには、どのような対策が必要なのでしょう。ここでは、その具体例を紹介します。
オフィスビルの省エネに効果的なのが、スマートビルディング化です。
スマートビルディングとは、BEMS(ビル・エネルギー管理システム)の導入により、
照明や空調設備の管理を一元化し、自動で適切な制御を可能にしたビルのことです。
人や温度・湿度を感知するセンサーやカメラを設置し、照明や空調を適切に稼働させれば、大幅な省エネが可能になります。
スマートビルディングについてさらに詳しくは、「管理の効率化を実現するスマートビルディングとは?メリットと課題を解説」を
ご覧ください。なお、ダイキン工業ではスマートフォンやパソコンなどから照明や空調機、その他の設備機器を一元管理できる
遠隔管理システム、「DK-CONNECT」を提供しています。DK-CONNECTを活用し、スマートビルディング化も可能です。
DK-CONNECTの活用事例を紹介しますので、ぜひご覧ください。
照明に特化した省エネとしては、次のような対策が効果的です。
熱源に特化した省エネとしては、次のような対策が効果的です。
空調に特化した省エネとしては、次のような対策が効果的です。
管理の効率化を実現するスマートビルディングとは?メリットと課題を解説
ここで、実際に省エネ対策に成功したオフィスビルの事例を紹介します。
タカラベルモント株式会社様が運営する理美容総合ショールーム「TB-SQUARE osaka」では、日により来客数の差が大きく、来客数が
多い日に合わせた設備を運用していましたが、その結果、換気や空調設備の適切な運用管理ができていないことが課題となっていました。
そこで、CO2センサーと連動した換気制御とエネルギー管理を導入。来客者数が多いときや少ないときなどのCO2濃度に応じて、
風量を自動で制御するようにすることで省エネを実現しました。
また、遠隔監視システムを用いた運転実績に基づく継続的な運用改善により、エネルギー使用量の削減も可能にし、
こうした取組により2021年度省エネ対象を受賞しています。
あなぶきセントラルビル様は、ビルの老朽化をきっかけに省エネ化に向けた設備改修を実施しました。ZEBを目指し、省エネ診断を行い、その結果をもとに空調機の配置見直しや照明のLEDへの変更などをして、省エネ化を実現しています。
また、改修工事と同時に空調機器の集中制御・遠隔監視の装置を導入し、使用状況の可視化を行うことで、一次エネルギーの大幅な削減を実現。省エネ診断を起点に実現した既築テナントビルの普及型ZEBにおいて、2020年度省エネ大賞を受賞しました。
枯渇資源を利用したエネルギーの有効活用や、地球温暖化対策として欠かせない省エネ。
多くのエネルギーを利用するオフィスビルにとっても避けては通れない課題のひとつです。
近年は、技術の進歩により再生可能エネルギーや植物由来の資源を使ったエネルギーも登場していますが、それだけですべてを賄うまでには
至っていません。そのため、既存のエネルギーを大切に扱いつつ、新たなエネルギーへのシフトを果たしていくことが必要です。
オフィスビルの省エネ対策としては、照明や熱源、空調の見直し、清掃、適切な管理などが求められます。
特に空調設備においては、故障やトラブルを防ぎ、安定して利用できるようにすることが重要な省エネ対策となるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、オフィスビルの空調設備の定期的なメンテナンスを効率化させる「エアネットサービス」と
「アシスネットサービス」です。
IoTを活用した故障予知や異常時のメール送信機能などによって、故障してしまう前、あるいは故障してすぐに適切な対応が可能になります。
その結果、省エネ対策につながるだけではなく、空調の故障によってビル内の快適性が失われてしまうリスクの軽減も可能です。
なお、故障予知について詳しくは、「故障予知とは?AI・IoT技術により設備管理を最適化する新時代のメンテナンス」をご覧ください。
故障予知とは?AI・IoT技術により設備管理を最適化する新時代のメンテナンス
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