電気代の負担増加から考える
節電・省エネ対策

年々上がり続ける燃料費は、空調機をはじめとした建物設備においてもランニングコスト増加につながる大きな懸念事項です。また、現代においては環境への配慮をした上での快適性も求められており、今後一層、管理への負担は増すと考えられます。この記事では、燃料費の現状を読み解き、節電・省エネに向けたポイントをご紹介します。

- 燃料価格は今後も上がり続けると予測されている
- ビルのエネルギー消費のうち、約半分を空調が占める
- 節電・省エネ化には、まずエネルギーの見える化が重要になる
年々上がり続ける電気料金
上昇を続ける電気料金、その背景には燃料調整費の高騰があります。燃料調整費とは、火力発電に用いる燃料の価格変動を、毎月の電気料金に反映させる仕組みで、日本の電力会社のほとんどが電気料金の中に組み込んでいるのです。


今後も電気料金は上がり続けると
予測されている
ビルにおける消費電力の
半分以上を占める空調・換気
燃料費の高騰は空調の使用にも大きく影響
建物にはさまざまな設備が設置されていますが、その中で空調はエネルギー消費量の約半分を占めています。そのため、今まで通り空調を使用し続けると、目に見える形で電気代として返ってきてしまい、大きな影響を与えかねません。

(出典)資源エネルギー庁

空調の節電・省エネ化を進めることが大切
すぐに始られる節電・省エネの一例
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設定温度の適正化
環境省の「温室効果ガス排出抑制等指針によれば、空調の消費電力量を節約するには「夏は28℃、冬は20℃」が目安と言われています。一般財団法人省エネルギーセンターによれば、夏の空調設定温度を26℃から28℃に変更するだけで、冷房の消費熱量が11%削減され、消費電力が抑えられた事例もあります。
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省エネの工夫
オフィス利用者それぞれの省エネ活動も空調費削減に大きく貢献します。窓を開閉できる場合は、外気を有効活用しましょう。また、遮熱フィルムやブラインドを活用して直射日光を防いだり、扇風機やサーキュレーターを併用するのも、手軽に始められる対策として有効です。個別空調方式の場合は、空調の消し忘れ防止を徹底しましょう。
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運用方法の見直し
空調は立ち上げ時の負荷が大きいので、起動時に外気を遮断して空調にかかる負荷を少なくしてあげると消費電力が抑えられます。また、立ち上がりにかかる時間は季節や環境に合わせて変化するため、空調をオンにする時間を適切に設定することも有効です。